文化祭でうろうろするタイプ

日常のぐだぐだと旅日記

社内からポエマーだと思われているタイプ

 

2月16日木曜日、私はいつもの通り

真面目に働いていました。

 

 

普段は京都支社で勤務しているので、

大阪支社の人とは電話でやり取りすることが多いです。

でも、この日はたまたま大阪で研修があったから

いつも電話でしている打ち合わせを挨拶兼ねて直接しようと、

大阪のオフィスを訪ねます。

 

 

大阪は京都よりもずっとずっと人が多くて、広くて、

女性はみんな綺麗に着飾ってキラキラしてて。

 

 

京都支社を家か何かと勘違いしている私は

近頃はすっぴん出勤がすっかりデフォルトなってしまったけれど、

さすがにアポの時と大阪に行く時はちゃんと化粧して行きます。

 

 

今日の打ち合わせ相手も、

やっぱりキラキラ女子で。

 

去年の夏、関西内のバーベキューに

颯爽と現れた彼女は

丈の短いシャツワンピースに細い手足、

「ひっ……!色気……!」と私は息を呑み、

 

片やその日の私は初対面の人達ばかりで緊張した後、

酒飲んで変なスイッチ入ってめちゃくちゃに楽しくなってきてしまって

ペラペラペラ喋りまくってから後半で死ぬ程眠くなって来て

帰りにみんなでラーメン食べながらほとんど寝てて、

買い出しも一切してないし肉も全部人に焼いてもらってたにも関わらず

次の日何故か首と肩と腰の筋肉痛に襲われるという、

要約すると非常に気持ち悪い人間でしたが

 

 

この日もやっぱり彼女はキラキラしてるし、

左手の指輪もキラキラしてるし、

「眩しい……リア充側だ……」と目を細めながら

打ち合わせしつつ

 

 

終わりの方で、ちょっと雑談になって

「さいこさんの上司の下に、私も一時期いたんですが」と。

 

「さいこさんがTwitterで上司のこと書いてるって

 大阪で噂になってますけど本当ですか?」と。

 

 

↓私がTwitterで書いてる上司のことの例

 f:id:okada-saiko:20170225115741j:image

 

(フォロワー231人しかいないのに噂になってるって何……?)と思いながら

雑談を振られた嬉しさと焦りで、

上司のことをペラペラと喋りながら

「あっ、よかったら、全然フォローしてください」などと

恐らく相手は全く望んでいないのに携帯をさっと取り出して

アカウント検索させて

自身のTwitterをフォローさせてから解散し

 

 

エレベーターに乗ってから

(今の私、さぞかし気持ち悪かっただろうな……)などと

己の言動を反省していると

 

 

さっきのキラキラ女子から着信がある。

 

 

え、何だろう。

 

 

「ノート忘れてませんか??」

 

 

あっ、本当だ。

やだなあ、キラキラ女子の前で

また恥を重ねてしまった。失敗失敗★

 

 

すぐに取りに戻ると

 

「すみません誰のか分からなくて、ちょっと中見ましたが……」と

ノートを2冊渡される。

 

「いえそんな、中なんていくらでも見ていただければ……」とか

反射的に訳の分からない返しをしながら

ノートを2冊受け取る。

 

 

 

2冊。

 

 

 

2冊?

 

 

心臓がどくん、と跳ねる

 

 

私、仕事用のノートだけじゃなく、

 

 

プライベート用のノートも置きっぱなしにしていた……?

 

 

プライベート用のノートには、

何が書いてあるかというと

 

思いついたこととか、

美しいなあと感じたものとか、

とりとめもなく書き殴っている訳だけれど

 

最近1冊終わって新しいのにしたばっかりで、

まだ9ページしか使ってないけど

その中に何が書いてあるかっていうと

 

 

例えば

 

 

井上陽水の歌詞の写経

 

 

 

「心もよう」 作詞作曲:井上陽水

 

さみしさのつれづれに手紙を

したためています あなたに

黒いインクがきれいでしょう

青いびんせんがかなしいでしょう

(対比、現在)

 

あなたの笑い顔を不思議なことに

今日は覚えていました

19になったお祝に

作った歌も忘れたのに・・・

 

さみしさだけを手紙につめて

ふるさとにすむ、あなたに送る

あなたにとって見飽きた文字が

季節の中で、埋もれてしまう

 

 

いやいやいやちょいちょい待て待て待て待て、

落ち着けって

 

井上陽水の歌詞の写経、

ちょっと自分の解説付けて1ページにびっしり書いてあるだけだから。

ここを開く確率、9分の1だから。

 

 

あざやか色の春はかげろう

まぶしい夏の光は強く、秋風の後

冬が追いかけ、季節はめぐり

あなたを変える

(昔から現在、時間の移り変わり)

 

 

落ち着いて落ち着いて、

ページはこれだけじゃないから。

 

その隣のページには何が書いてある?

 

 

松本隆の歌詞の写経だ。

 

 

「ルビーの指環」 作詞:松本隆 作曲:寺尾聰

 

くもり硝子の向うは風の街

問わず語りの心が切ないね

枯葉ひとつの重さもない命

あなたを失ってから

 

背中を丸めながら

指のリング抜き取ったね

俺に返すつもりならば

捨ててくれ

 

 

いやいやいやまだいける、

これでも確率は9分の2だから。

 

その前の前の前のページには、

何が書いてある?

 

 

先週習った、マクロ経済の恒等式だ。

 

 

Y=C+I+G+XーM

(GDP=個人消費+投資+政府支出+輸出-輸入)

 

 

美しい。なんて美しい。

井上陽水も松本隆も美しいけど、

こっちはこっちで美しいよ。

抜けなく漏れなくダブりなく、

複雑な事象がこの一行に全て集約されていく、

世界の真理ともいうべき式。

 

いける。このページならいける。

見られてもいける。

なんなら賢そうに見えるからむしろ見て欲しい。

 

 

しかもそもそも「中身見た」って

仕事用のノートの方かもしれない。

そっちならどのページでも全く構わない。

真面目に仕事のことしか書いてない。

 

見られてまずいのは、たかだか

(ノートが当たる確率1/2)×(歌詞の写経が当たる確率2/9)

=9分の1、だけだ。

 

 

いやまあ9回に1回の確率で

キラキラ女子に井上陽水の詩を写経してる様を

実は見られてるかもしれないと思うと、

なかなかゾクゾクする黒ひげ危機一髪というか

突き詰めて考えると「死」しか選択肢がなくなってくるので

この件については一旦思考を停止しよう。

 

 

 

そしてそんなことも忘れ去った1週間後

2月24日、プレミアムフライデー。

 

特にプレミアムなことも予定も何もなく

いつも通りせっせと真面目に仕事をしていた夜19時半、

キラキラ女子さんから頂くお電話。

 

真面目に仕事の話をして、

では宜しくお願いいたします~と

電話を切ろうとしたその時、

 

 

「てか全然関係ないんですけど」

 

「こないだ、同じチームの同僚とさいこさんの話になって」

 

うん?

 

「先週”私をキラキラしてるリア充”だと思いながら

 打ち合わせしてたって聞いたんですけど……」

 

いや、あの、なんかほんとにキラキラしていらっしゃて

自分が申し訳なくなってきて……

あの時のトーク、気持ち悪くてすみません。

あとノートも忘れてすみません。

 

 

「てかあのノート」

 

 

うん?

 

 

「私中身見たんですが……」

 

 

雲行きが怪しい

 

 

脇の下にじんわりと変な汗が滲む

 

 

「ポエム書いてましたよね?」

 

 

そうね誕生石ならルビーなの

そんな言葉が頭に渦巻くよ

あれは八月 まばゆい陽の中で

誓った愛の幻

 

 

ルビーの指環と共に、

「死」の選択肢が脳裏をよぎった時

 

 

「あのノート、誰のか分からなかったんですけど

 ポエム書いてあったから、さいこさんのだと思ってーーー」

 

 

孤独が好きな俺さ

気にしないでいっていいよ

気が変わらぬうちに早く

消えてくれ

 

くもり硝子の向うは風の街

さめた紅茶が残ったテーブルで

襟を合わせて日暮れの人波に

まぎれるあなたを見てた

 

 

 

ていうか、え?

 

私、このキラキラ女子さんとちゃんと話すの

今回の案件がほぼ初めてなんだけど

 

 

“ポエムが書いてあったから”

 

”さいこさんのだと思った”

 

 

え?

 

 

ポエム=私

 

 

それが社内での恒等式?

抜けなく漏れなくダブりなく?

世界の真理の様に美しく?

 

 

私の社内イメージは

 

「ポエマー」で定着してるってこと?

 

 

私が日々真面目に仕事してる時、

大阪支社で挙動不審にきょろきょろしてる時、

 

電話で話すあの人も、すれ違うこの人も、

 

 

私の知らないところで、もしかしたら

 

 

 

みんな、私を密かに「ポエマー」と思いながら

 

仕事していた?

 

 

そして二年の月日が流れ去り

街でベージュのコートを見かけると

指にルビーのリングを探すのさ

あなたを失ってから

 

そして二年の月日が流れ去り

街でベージュのコートを見かけると

指にルビーのリングを探すのさ

あなたを失ってから

 

 

「このことは誰にも言わないんで安心してください」って言われたけれど

「いや、もう、全然、誰に言っていただいても構わないんで!!」とか

また反射的に訳の分からない返しをして、

それからルビーの指環が脳内にエンドレスリピートされて

ていうか「枯れ葉ひとつの重さもない命」って

めちゃくちゃ美しい歌詞じゃないですか?

マクロ経済はマクロ経済で美しいけど、

こっちもこっちで美しい、

ていうかなんで開いたページがマクロ経済じゃなかったんですか?

 

 

ほら怖い夢とか、人に話すと楽になるって言うじゃないですか

中二の時のノートならまだしも

「32歳独身で中身は中二みたいな現役バリバリのノートをキラキラ既婚女子に見られてるOL(私)」とか

枯れ葉ひとつの重さもない命というか

ほらやっぱり脳裏に「死」の選択肢がよぎってくるというか

余りにも辛いからむしろ己から広めようと

さみしさのつれづれに手紙をしたためています、あなたに

黒いインクが綺麗でしょう、

青い便箋が悲しいでしょう?

 

 

尚、「歌詞の写経」などと

しれっと他人の歌詞を書いてただけみたいに言いましたけど、

別のページに自作のポエムも実際に書いていたため、

もしもそのページを黒ひげばりに引き当てられていたら

私に残された選択肢はいよいよ1つです。

 

 

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おかださいこ 

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