京都・出町柳って知ってます?
私は3年半ここで暮らしていますけど、
「出町柳はいい柳~♪」という歌もある位で、
まあ私が勝手に作ったし今初めて人に言ったしワンフレーズしか無いんですけど
なかなかに居心地が良くて、
今まで1人暮らしした町の中で一番好きです。
近くに世界遺産の下鴨神社とか京都御所とかあるけれど
全国的な知名度としてはやや中途半端といいますか、
「そうだ、京都行こう」って思った時に
清水寺とか金閣寺とか伏見稲荷とかの次の次の次くらいに
何かのついでで寄ってみるか……位の立ち位置ではありますが
だいたい京都の寺やら神社やらって、
あの空気感が心地良くもあり重くもあり。
1日何カ所も巡ると精神力使い過ぎて確実に寺疲れしてくるので、
箸休め的に出町柳を散歩してみてもいいんじゃないでしょうか?
ていうか正直穏やかに暮らしたいので
そんなに大量に人も来て欲しくないんですけど、
観光案内というよりこんな町もあるよ、位な感じで
本日はご紹介させていただきます。
【出町柳概要】
京都駅より北東の、京都市左京区にあります。
東にあるのに「左京区」なので
方向音痴の私はいつも混乱します。
「左手は西」って習ったのに。天皇基準で言われても。
▼五山送り火の大文字山が見える町
東南アジア旅行から帰ってこの景色見た時、ふっと
「てかどんな海外とかより普通に出町柳が最高なんじゃ…」と思いました。
▼個人的には電線が美しいのも出町柳の見所です
鴨川と高野川が合流するデルタ地帯が
映画やアニメの舞台になってたり、
親子連れや大学生などのリア充たちがキャッキャしてたりします。
▼リア充たちがキャッキャしてるけど、
油断するとトンビが襲いかかってきます
▼鴨川デルタのポケストップ
橋の上だと届きそうで届かない絶妙な位置に配置され、
いつもイラつかせてくれる。調子いい日は反応する。
【出町柳と電車】
思えば私が初めて出町柳に来たのは就活の時で。
当時、森見登美彦氏の『太陽の塔』に感銘を受け、
任○堂の面接で京都までの交通費支給されたのを良いことに
ついでに叡山電車も楽しんだのが良い思い出ですね。
無事面接は落ちました。
▼京阪電車と叡山電車が通る駅、出町柳。
▼紅葉の時期以外はのんびり空いてる叡山電車
▼「こんなにドアいらねえな」と急に気付く京阪電車
▼期間限定でドラクエ電車も走る京阪電車
去年のクリスマス、良かったことが1人でドラクエ電車に乗ったこと位しか無い。
「別にもうクリスマスにはしゃぐ様な歳でもないし、」とか斜に構えて
クリスマス3連休に何の予定も入れなかったんですが
当日想像以上の孤独感に襲われ死ぬかと思いました。
クリスマス舐めてた。己の心の弱さも舐めてた。
電車といえば、鉄道マニアには有名な老舗鉄道模型店が
駅徒歩7分くらいのところにひっそり構えております。
店内は狭く、冷やかしで入りにくいオーラは満点ですが
素人の私にも分かるくらい美しく精巧な模型がずらり、
外のディスプレイをしげしげ眺めてしまう。
鉄道好きなら京都駅近くの鉄道博物館行ってからココ、
というコースもなかなかオツなんじゃないでしょうか。
私は鉄道博物館行ったことないんで、
ものすごく適当なこと言ってますけど。
【出町柳と四季】
せっかく年中通して出町柳にいるのだから、
四季ごとの移り変わりを見ていきましょう。
▼3月:春、長徳寺
京都の中でも、早咲きで有名なおかめ桜があります。
入口の桜に「おおっ!」ってなった後は
奥にはほぼ何も無いという完全に出落ちの寺ですが、
まだ桜が咲く前の春に女性とデートにするなら
「京都でどこよりも早く咲く桜知ってるんだけど、行ってみない?」みたいな
誘い文句でどうでしょうか。
私の後輩が使ってました。そして付き合って別れました。
▼6月:梅雨、アジサイ窃盗犯に厳しい
▼7月:夏、下鴨神社の「みたらし祭(御手洗祭)」
みたらし団子の由来にもなっているこのお祭り、
川に入ってロウソクを灯す…という
なかなか幻想的なイベント。
私はそのルールを全く理解しておらず長ズボンで来場、
裾びしょ濡れになりました。
恋愛成就でも有名な下鴨神社。
私は去年振られたその足でヤケになって参拝、
ついでに今までのお守りも返納したところ
間違えてさっき買ったばかりの縁結びのお守りも
即返納するという痛ましい事故が発生し、
その影響でまだ恋人は出来ません。
古くから八咫烏(ヤタガラス)が祀られていますが、
日本代表のユニフォームに採用されたが為に突然サッカーの神にさせられて、
八咫烏様も戸惑ってると思います。
▼八咫烏に捧げられるサッカー系の切なる想い
もっとメジャーなビックイベント、
5月の葵祭(京都三大祭りの1つ)とか、
8月の五山の送り火とかもあるんですけど
人多過ぎ・遠すぎで私の撮影能力とiPhoneじゃロクな写真が撮れなかったので、
ググってください。
さらに、秋と言えば紅葉で
京都御所とか綺麗なはずなんですけれど
毎日横を通りすぎて逆に撮影するの忘れたので、
ググってください。
▼1月:冬、雪の大文字山も良いですね。クソ寒いけど
▼2月:やっぱり電線が綺麗。クソ寒いけど
【出町柳と瞑想】
「いきなり何言い始めるの?」という感じですが
ここが私が出町柳を愛する最大のポイントです。
小さな寺、柳しなだれる鴨川のほとり、
昔ながらの喫茶店も今風のカフェもところどころあって、
1人でぼーーーっと過ごす場所に困らない。
その中でもとっておきの2つで、
いやちょっとこれは本当マジであんまり人に来て欲しくないので、
出来ればそっとしておいて欲しいんですけど
▼廬山寺(ろざんじ)
元祖女性ブロガー?紫式部様が、
かの名作源氏物語を執筆した場所。
大体人もほとんど居なくて、源氏物語の展示の他に
こじんまりとした庭が1つあるだけなんですけれど。
なんだろう、これはもう本当に来て貰わないと伝わらないのだけれど
塀で小さく閉じられた空間に、
淀みなくしつらえられた石と木。
ただただ静かで、感覚が研ぎすまされていって
風の音だけが耳の後ろまでざわざわと響いて
すっ、と気持ちがどんどん内側に入っていく。
うちに遊びに来た人を大体ここに連れてくのだけど、
みんな口を揃えて「ここ、また来たい」というので間違いないと思います。
演劇やってる友達は泣いてた。
時間を忘れていつまでもいれるけど、
冬はさすがにあんまり長く居ると寒い。
あとHP、鬼が全面に押し出されてるけど
節分限定の伝統行事だから怯えないで。
▼名曲喫茶・柳月堂(りゅうげつどう)
1954年創業の歴史ある喫茶店。
話せる談話室と全く話せない鑑賞室に分かれていて、
鑑賞室の場合は500円のチャージ料金。
不用意にコート脱ぎ着するな、キーボード打つな等々
「音立てたら殺すよ?」位の厳しい注意書きが並び、
単に音楽流れるだけの喫茶店だと思って行った私は
え、何事??!!と大変戸惑いましたが
鑑賞室の扉を空けると
何、この異空間。
中央にグランドピアノ、左右に木製のスピーカーが並び
まるでコンサートの如く全て正面を向いて配置された
重厚なソファーたち。
ずらりと並んだレコードアルバム、本、
そして何故か至るところに熊と犬のぬいぐるみ。
名曲に隙間なく、丸くぴったり、
包み込まれている感じ。
もう何これ。いっそ卑猥ですらある。
ソファーの座り心地も最高でここから出たくない。
PC作業は出来ないけれど
本読むとか、考え事するには最高。
珈琲もケーキも楽しめるミニクラシックコンサート的な感覚。
基本いつもシニア層のおじ様方しかいらっしゃらない。
【出町柳とグルメ】
住む場所はずっと商店街の近くと決めており、
出町柳を選んだのはそれが理由でした。
▼桝形商店街 ※七夕時。普段はこんなに人居ない
京アニ『たまこマーケット』のモデルにもなった商店街。
一時期は聖地巡礼地にもなっており、
アニメ好きの後輩も1回遊びに来てくれましたが
後輩がtwitter仲間と出くわして
ハンドルネームで会話が盛り上がりすぎて
一切間に入れませんでした。
小さな商店街で一瞬で終わるので
錦市場とか想像されると辛いものがありますが
お惣菜とか阿闍梨餅とか豆乳ドーナツとか、
ちょいちょいつまんだりお土産買うのも楽しいよ。
▼何故パンに時計を巻いて売るのだろう?
▼ふたばの豆餅(豆大福)
有名過ぎてここで言及するまでも無いですが一応…。
程よい塩味と大粒の豆に包まれた、程良い甘さの餡子。
絶妙なバランスにファンが多いのも納得。
常に行列だけど回転早いので10~15分も待てば買えます。
ここで豆餅買って、鴨川デルタか京都御所か、
ちょっと散歩して京大や哲学の道あたりの
ベンチに腰掛けて食べる……
なんてのが出町柳鉄板の楽しみ方ですね。
ただし鴨川デルタの場合、
トンビ飛び交う季節に豆餅なんて取り出した日には
マジで襲われますから辞めてくださいね。
猛禽類との争いは避けた方が無難です。
▼いの田
商店街の中にある居酒屋。
ずっと気になっていたものの行ってないまま3年が経過、
こないだ初めて行ってずっと行かなかった己を後悔した。3年間無駄にした。
鳥めっちゃうまい。卵かけご飯もめっちゃうまい。最高や……
で、ここで一旦商店街を離れまして
突然今出川まで飛び、しかも天一かよって話ですけど
ていうか天一最高じゃないですか?
残業で疲労しきった五臓六腑に染み渡るこってり味、
人体にがっつり悪いことしてそうなこの背徳感、
ストレス解消にもってこいです。
京都の人が「天一は店舗ごとで味が違うから!」
「○○店は赤いバンダナの人が作るやつが美味しい」とか言うの、
ずっと都市伝説だと思ってたんですが
確かに色々回ってみて思うけど店舗ごとにメニューもテイストも違う。
そして今出川店は直営だけあって美味しい、
と、私は思う。
でも赤いバンダナの人の話はさすがに嘘だと思う。
「この年齢になるとちょっともうこってりは……」と
脱落していく人も多いですけど
定年まで食べ続けたいです、天一。
デートでどきどき一生懸命お洒落して、
キャメル色のコートを着た日に
「今日の君のコート、こってり色だね」とか言われたら
ムカつくを通り越して恋に落ちれるかもしれません。
▼この席に座ると監視されてる様で落ち着かない
【来てみたくなりました?】
来て欲しい様な来て欲しくない様な、そんな出町柳。
唯一にして最大の不満といえば
今住んでるマンションが毎年更新料を徴収される上に、
事務手数料込みでなぜか毎回11万かかる上に、
入居日に関わらず3月25日で契約が切れる上に(4月に異動あった時が最悪)、
毎年全保連にも保証金を払わなければならないという、
そんな非人道的な賃貸契約を除けば
それ以外の住み易さは最高です。
という、一体どこにぶつけたらいいのか分からない
京都不動産業界の商習慣への怒りを
最後にどさくさに紛れてここにそっとぶつけておきます。
▼京都だけ「更新料と更新事務手数料の両方課金」率が異常な図
引用:不動産ジャパン「更新料の意識、設定有無、料金に地域差:不動産トピックス」
他にも相国寺とか同志社大とか
皿洗いするとタダになる王将とか
急にチームラボにプロデュースされたりとか
まだまだ色々とあるのですが、
キリもないのであとは各自でググろうね!
出町柳はいい柳〜♪
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